バッテリーを改造することについて

保証できないこと」でも申し上げました通り、XS以降のiPhoneでは、バッテリーを純正でないものに交換すると「バッテリーに関する重要なメッセージ」が表示され、「不明な部品」として扱われます。そして、バッテリーの最大容量が設定から確認できなくなります。当店も、これを大変心苦しいことと思っております。

非正規の修理屋によっては、これを出さない方法でバッテリーを交換できることを売りにするところもあります。この方法については私もわかっており、バッテリー下部についている基板を交換前の純正品と交換し、本体には製造番号を純正のものと勘違いさせるというやり方です。

当店では、この方法を用いて修理することはございませんし、これからもありません。お客様には「不明な部品」という通知を我慢していただくことになりますが、理由はその方が安全と考えられるからです。互換品バッテリーに純正の基板をスポット溶接し、純正のバッテリーであると本体をあざむいて使用することはあまり安全ではないと私は考えております。純正と互換品のバッテリーの特性に何らかの違いがあった時に、本体が「純正品」と勘違いしたまま使用や充電を続けることはリスクを伴うと考えます。もちろん「不明な部品」であることにもリスクはありますが、互換品には互換品の特性に合った基板が最初に取り付けられており、本体が社外品と認識していれば、本体は安全側に振ったコントロールをすると推測します。

これはそれぞれの店のポリシーであり、スポット溶接をする修理店が悪いと申し上げるわけではございません。当店も、液晶パネルについてはTrue Toneを維持する装置を使用しており、これもある意味本体をだまくらかして純正品と同じ動作をさせているわけです。しかし、液晶パネルは爆発しませんがバッテリーは爆発の危険があるものです。それについて大掛かりな改造をしてお客様に渡すことはできないというのが当店の考え方です。

当店で使用しております互換品は純正品と遜色のないものであり、より簡素で安全そうな方法でこの問題を回避できるようになりましたら、ぜひ採用したいと思っております。それまでは、この不便な表示についてなにとぞご容赦頂けたらと存じます。