iPhone等の経年劣化と寿命について
当店で古めのiPhoneやiPadのバッテリーを交換後、お客様よりときどき「バッテリーを交換したけど充電の持ちが回復しなかった」と言われることがございます。特にiPadのバッテリー交換後にこのケースが多かったことから、現在、iPadの充電の持ちが悪いという原因によるバッテリー交換については見合わせております。
すべてのバッテリーが年月とともに劣化するのと同じように、iPhoneやiPadそのものも経年劣化していきます。正確には基板にのせられている細かい部品が劣化するのですが、その各部品を電気が流れるときの抵抗が徐々に変化していきます。抵抗は熱に換えられるのですが、正常に動いてきた基板であれば基板全体の抵抗は年月とともに上昇するようで、消費電力と発熱が大きくなっていきますので、電池の持ちが悪くなります。もちろん同時にバッテリーも劣化しているので、当店としてはバッテリー交換による回復を試みるのですが、それでもあまり充電の持ちがよくならないということは起こりえます。
また、iPadやタブレットは電池の占める容積が大きく、製品寿命が来る前にバッテリーを交換することは考えられていないようです。現に、一部の最新機種を除きiPadではバッテリーの最大容量(劣化の割合)は表示されていません。充電の持ちが悪くなる原因はバッテリーでなく基板の経年劣化にある可能性が大で、バッテリー交換が第一選択にならない理由でもございます。
Appleでは、環境負荷におけるテストでiPhoneやApple Watchの寿命を3年としているようです。もちろん、ほとんどの個体ではバッテリー交換などをすればもっと寿命を延ばせますし、iOSを最新版にすることができなくなっても、5年、6年と使える個体もございます。ですが、中には性能が衰える個体もあり、正常に動いても前述のように充電の持ちが悪くなったり、あるいは突然動かなくなることもございます。当店では、3年未満のものも含め、寿命が原因と考えられる故障や不具合については保証いたしかねます。
以上はパソコンにも言えることで、部品の微細化も理由だと思いますが、最近の機種は10年持つようには造られていないように感じます。驚くほど長寿のパソコンや携帯もありますが、最近の洗練された機種ほどなんとなく寿命が短いような感覚を持っております。お客様におかれましては、当店が不調の原因を経年劣化と推測した場合において、何卒ご理解をお願いいたしますとともに、適切なタイミング(最新OSがサポートしなくなる等)での機種変更をおすすめいたしております。