安く完全には直せません
リペアメイトでは、高水準の修理を安く提供することを常に目標としております。データのことを除けば、お客様が修理を希望するのは究極的には「新品を買うより安いから」であり、不具合を取り除くことができれば、修理代金は安ければ安いほどよいのには間違いありません。
当店では、バッテリーなど純正品と遜色のないものにおいては、互換品を安く探して修理いたします。パソコンの修理については基本的に新品のパーツを仕入れて交換しておりますが、お客様の安く修理してほしいというご希望が強い場合、お客様とご相談の上で、メモリやSSDなどについて他のパソコンから取り出した部品を使用することもございます。
お客様のお困りごとを解決するのが当店の使命であり、パーツを使わずに修理できる場合を除いて、故障前と完全に同じにはなりません。故障前と同じように修理するのは「メーカー」の仕事だと考えております。
iPhoneの場合はより顕著です。まず現在は幾分緩和されているとはいえ、Apple自体が第三者による修理を良しとしておらず、True ToneやFace IDなど、部品が交換されると完全に機能しないように設計してあります。そして、最近では純正の液晶パネルは高価なOLED(有機EL)が使われており、同様の性能で修理するためのコストを高くしています。ここにさらなる問題があり、13系以降のiPhoneのセンサーの一部は、OLEDスクリーンの裏側から、液晶を貫通して外部の光を感知するように設計されています。バックライトを必要としないOLEDならではのこの仕組みはDynamic Islandの実現など、デザイン上の利点はありますが、これと同じものを通常のTFT液晶で造ると、バックライトが光をさえぎってしまい、センサーが機能しなくなります。なので、TFT液晶を使った安価なパネルでは、自動明るさ調整が利かなくなったり、14Pro系だと近接センサーが利かなくなり電話を耳に当てたことを感知できなくなるので、耳が触れることによる誤作動を引き起こしやすくなってしまいます。
「再生パネル」もしくは「純正品取り外し品」を使えば、この問題は回避できますが、この仕入れ値はAppleで液晶パネル割れの有償修理をするよりも高価なので、最近の機種のほとんどでは選択肢に入りません。「データそのまま」で修理できる利点があるとはいえ、現在ではiCloudにデータが保存されていることが多いので、データについては心配も少なくなっています。なので、お客様に提案できるのは、安価で制約の多いTFT液晶パネルか、やや高価だが純正品に近いOLEDパネルになりますが、OLEDパネルでさえ、センサー類が完全に機能することを保証まではできかねます。当店で一度13系をOLEDパネルで修理したときは、明るさ調整機能も働きましたが、どの機種のパネルでもうまくいくとは断言できません。
ですので、特に「安く修理すること」を選択した場合に、完全に元通りにならないことが往々にしてございます。パソコン、スマートフォンともに、仕組みが複雑になるにしたがってこの傾向は大きくなりこそすれ、緩和されることはないでしょう。特に新しめのMacBookなどは全く修理できなくなってきています。
当店では、お客様が後悔するような修理を提供したくないと常に思っておりますので、価格と修理後の回復の見込みでお客様と折り合いがつかない場合、修理をお断りすることがございます。これにつきまして、ぜひともご理解をいただけますとともに、お互いに気持ちのよい修理になりますようご協力をお願い申し上げます。