iOS18修理アシスタントについて

iOS18の実装にともない、iPhone12系以降のiPhoneには「修理アシスタント」というものが搭載されています。これは、当店のように互換品を使って修理する修理店にとって福音といわれています。

おそらく海外の法律がらみだと思いますが、Appleが非正規修理店への対応を軟化させ、互換品によって修理された場合の警告や機能の使用不可などが幾分緩和されることが期待されます。当店では、実際にiOS18で「修理アシスタント」を使用するとどうなるのか、確認することにいたしました。

用意するのはiPhone 12 miniです。これは前の持ち主がバッテリー交換に失敗したものをジャンクで入手したもので、入手時のiOS16.6においては、液晶パネルはTFT液晶(純正のOLEDではない普及品の液晶)になっており「不明な部品」表示、バッテリーは互換品で「不明な部品」表示、FaceIDは「問題」表示(TrueDepthカメラではなく、ただ「問題があります」との表示)でした。

これをまずiOS18.0.1(執筆時の最新)にアップデートし、設定の一般→情報→「部品とサービスの履歴」をたどって表示を見ますと、ディスプレイは「不明な部品」のままですが、バッテリーは「再起動して修理を完了する」という表示になっていました。しかし、再起動して指示に従ったところ、バッテリーも「不明な部品」となってしまいました。

もう1台、壊れたiPhone 12 miniを用意して、ディスプレイを取り外し、このiPhoneに取り付けると、ディスプレイが「再起動して修理を完了する」表示になりました。また、インカメラユニット(Face IDにかかわると思ったため)も交換したところ、写真のように3つとも修理できそうな表示になりました。

再起動し、指示に従った結果は、ディスプレイが「中古」表示、バッテリーは「不明な部品」表示、Face IDは「問題」のままでした。中古ディスプレイを使うと、特殊な機械を使わなくてもTrue Toneが使えるようになっていました。

Face ID は、アウトカメラユニットを交換し、インカメラユニットを元に戻すと直っていました。つまりインカメラではなくアウトカメラの不具合でした。アウトカメラの方は「純正部品」との表示になりました。おそらくiPhoneから取り外した部品はこの表示になると思われます。

以上からなんとなく持った感想ですが、iOS18.1以降はどうなるかわかりませんが、現時点では最小限の機能を持っているようです。つまり、純正部品またはiPhoneから取り外した部品ならOKですが、完全な社外品にはまだ対応していない感じです。

それでも、修理をしやすくなっていること、よい傾向になっていることに間違いはありません。これからも情報を集め、お客様にとって不都合の少ない修理ができるよう努力してまいります。